映画の授業は、「緊急かつ重要なこと」ではない。
「緊急ではないが重要なこと」に分類されるのだろう。
映画の授業に参加してくれる子達は「勉強そのもの」を楽しめるようになっていると思う。参加しなければ「楽しめない」わけではない。
昨日の映画は「第9地区」
「差別はいけないと思います」「平和が大事です」「お互いを認め合おう」といった感想は禁止にしてみました。
「差別はいけないと思います」も大事な感想だし、素敵だと思うのです。だけれども、そう思い込むことで見えなくなる世界があるのだと思います。「差別はいけない、悲しい」といった想いで物事を見るがゆえに、見えないことがあるのです。
だから、禁止にしてみます。
とある高校生が「現代の差別について勉強してみたいです」と感想に書いてあったので、
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を紹介してみたりしました。
高校生に読めるかな??ちょっと速いかな~~などと思いながら。
読んでくれれば嬉しいが、読まないだろう。高校生は忙しい。でも。ふと気になったことを深堀せずに、興味関心を探しても無駄だと思う私がいるのも事実です。
大学生活を楽しめる子になって欲しいな~とひそかに思っております。そのためには、いろいろ前提条件があるように思うので、緊急だし重要なことを解決しながら、緊急ではないが重要なことに踏み込める子になって欲しい。
映画の授業は、苦しいかもしれない。
自分が書いた感想について突っ込まれますからね。
否定されたように思うんだろう。
出来るだけ社会がカラーになるように。
例えば、中学1年生が「クリストファー(エイリアン)は、主人公を助けると言いながら、主人公より仲間を優先すると思う。だから、主人公を軽く見てたと思う。」と書いてあった。
「軽く見てた」が気になります。
私にすれば「軽く見てた」というのは違うと思うのです。軽く見るというのは軽視するということです。軽視なんてしていません。仲間と比べると多少は軽視していたと書いてくれれば納得まではしないが、まだわかる。
だが、中学1年生は、おそらく表現が思いつかなかったのだと思います。だから、私は彼に聞くのです。本当はどういうことが言いたかったのか??どういうシーンでどう思ったのか?と。
言いたいことを言おうとして、途中で言葉を失わざるをえない小学1年生のように。
言いたいことを言える語彙力を持っていないから、泣き叫ぶ以外に方法がない幼稚園児のように。
(言い過ぎです。すいません。)
そこから、「それを言いたいなら、こういう言葉がいいんじゃない」と言ってあげたい。
だから、面倒な大人になります。
私だって「言い方間違えたな~」と思うことはたくさんある。
これだと伝わらないよな~
これだと伝わってないよな~
と思うことがある。
24時間365日。
言葉を尽くそうとすると辛いから、何気ない時はスルーしてる時もある。
だけど、伝えるべきときに、伝える言葉を持っていないのは悲しい。