進学個別指導塾Willbe【兵庫県赤穂市】

兵庫県赤穂市の進学個別指導塾Willbe塾長光庵(こうあん)のブログです。年長さんから高校3年生までが在籍しています。

教養で勉強を得意にする



今日は18:30~「映画で学ぶ知の技法」です。


映画を観て感想を書く。


ただそれだけの授業です。





















教養。



偉そうな言葉に見えてしまいますが、これ以外に勉強を得意にする、あるいは勉強が好きになる言葉はありません。



現代において「教養」を聞いて「知識」そのものを指すことが多いのは否めません。「教養」という言葉が偉そうに聞こえているのもそのせいかもしれません。知識を詰め込んで点数をとることこそが「教養」の証であるように思われてしまいます。

 

 

「教養は幸運な時には飾りとなるが、不運の中にあっては命綱となる」

 

byアリストテレス




しかし、アリストテレスの言う「教養」とは単なる知識を意味するのではなく「経験」を含むものだと思われます。



様々な状況で経験を積むことで、判断力/思考力を見極める力を磨き、慎重に行動することを可能にする。ここでいう慎重さというのは、危険に怯えることではなく、万が一を想定する用心深さを意味します。








受験やテストの点数のみに固執すればするほどに、本来の「教養」という言葉からかけ離れた教養となるでしょう。



聞かれてもいないのにベラベラ話すと周囲からウザがられるものにしかなりません。



私は、点数や受験に向き合うためにも「無駄な知識」は必要ではないかと思います。特に「志」や「自分」といったことがテーマになりやすい現代社会や大学「推薦入試」においては、この状況は加速されるでしょう。



いわば「無駄な知識」があるからこそ「受験に必要な知識」が活きてくるのです。



または「無駄な知識」があるからこそ「受験に必要な知識」の習得がしやすくなるのです。









今日の映画は宮崎駿監督の「風立ちぬ」です。



宮崎駿の考え方に共感しよう!という授業ではありません。



宮崎駿が何を言っているのかが分からなかったとしても、「今の世の中」を普通に生きていては知りえないことを知ることが可能です。








冒頭のシーン。


夏のある日、兄弟が6帖一間の蚊帳の中で早朝を迎えているシーンがあります。


昭和初期ではあたりまえの光景ですが、昭和後期~平成の時代を生きる私たちにとっては常識的なことではありません。


学校の教科書には無論上記のような光景は登場してきます。


それを知識というのかどうかは分かりませんが、昭和初期のあたりまえを学ぶことが出来ます。










または、


少年時代の二郎が「戦争」と言っていたのは第1次世界大戦。

大学時代に起こった地震が「関東大震災


中学の教科書には数行でしか説明されていない歴史を2時間にわたって感じていただいてもよいでしょう。





あるいは、


30分ごとに描き出される街並みの変化を感じてもよい。蒸気機関車路面電車、飛行機を輸送している牛馬など。




または、


戦前の肺結核治療の現実(山奥に隔離する)をみて心を痛めても良い。






次に申し上げることは極端な例ですが、


高校古文では「古文常識」を暗記する必要があります。


平安時代の「常識」を知らないと物語を読み解くことが出来ないからです。


だから高校生たちは「古文常識」といった本を丸暗記していきます。


ところが、


その古文常識をそもそも知っていたらどうでしょう??


暗記する必要もありません。









これが「無駄な知識」が「勉強の命綱」になるという意味です。











そういう「無駄な知識」は勉強にはあればあるほど良いのです。勉強をコスパ良く行う最大限効率の良い方法は無駄な知識を溜めていくことです。















一方で、


映画を観ながら、まるで好青年のようにしか描かれていない堀越二郎の姿。から一歩踏み込んで恋人が病気で寝込んでいるにも関わらず隣で煙草を吸いながら仕事をしている堀越二郎の狂気?を感想にしても良いですし笑


結核の治療に専念していた奥さんを「一緒にくらそう」と誘った二郎の決断の是非についても考えてよい。





「日本は貧乏だ。私が作っている飛行機の部品1つのお金で日本で飢えてる子ども達のすべての食料を買うことが出来る。矛盾だ」という堀越二郎の気持ちに社会の矛盾を感じてもよいでしょう。





堀越二郎が恋人と出会って急に元気になりました。恋をしたからで良いのでしょうが、堀越二郎はそれまで何に打ちひしがれていたのか?といったことを感想にしても良い。





何も悪いことをしていない二郎が秘密警察?に追いかけられなければならない政治的背景に疑問を持っても良い。


堀越二郎がドイツに留学した際に、とつぜん警察から追いかけまわされる男性がいた描写と合わせて考えてみてもよい。


この記述↑は、現代では考えにくいことなのか?そうではない。現代でもそういうことはある。「生涯弁護人」から「正義」などというものの難しさに発展していただいてもよい。






堀越二郎が会社で技術談義を仲間と行っている時に、上司がなぜ「惜しいな~」と発言したのかを感想に書いても良い。




















映画で学ぶ知の技法は、高校生と中学生「難関進学コース」の生徒のみ参加必須です。



総合進学コースは、希望者のみ参加。








 




感じて欲しいんだ!